任天堂のサイトに、「社長が訊く『Wii U』 Wii U Chat篇」のインタビュー記事が公開されました。
今回は、本体内蔵ソフト「Wii U Chat」についての話で、
渡辺
まず、もともとテレビ電話的な機能というのは、昔からずっと竹田(玄洋)さん(※2)が興味を持っておられて、総合開発本部の中でも「いつか実装したい」と考えていたものなんです。
※2 竹田玄洋=任天堂専務取締役、総合開発本部長。任天堂におけるハードウェア開発の責任者。
岩田
はい。じつはNINTENDO64の頃、もう15年以上前のことになりますが、当時、わたしは任天堂の人ではなかったんですけど、竹田さんからその想いを“直接”、ぶつけられた記憶があります(笑)。
・・・ということで、15年以上前から実装したかったことや、
渡辺
それでWii Uの開発が進んで、カメラを搭載する話が出てきたところで、通信に関する技術的な検証を、NTD(※5)やアメリカのVidyo(ヴィディオ)(※6)さんと行いました。それで「これなら形にできそうだ」という話が去年の年末くらいにまとまりました。
Vidyoさんはもともと、業務用のビデオ会議システムをメインで扱われている会社さんなんですけど、竹田さんが以前からご存じの方が働いておられたんです。
※5 NTD=任天堂テクノロジーデベロップメント(Nintendo Technology Development Inc.)。米国ワシントン州を拠点にしたHoward Chengをリーダーとした技術開発グループ。
※6 Vidyo(ヴィディオ)=2005年創業のアメリカのビデオ会議システムを専門としたメーカー。
岩田
インターネットは混雑などの度合いによって、どの程度の速度とエラー率で相手にデータが届くかが保証されておらず、動的に変化するものなんです。ですから、回線が混み合ったり、調子が悪かったりすると、普通の動画圧縮技術では、ブロックノイズが入ったり、映像が途切れたりしてしまうんですね。
渡辺
それに対して、Vidyoさんの技術ですと、リアルタイムに回線状態を監視して随時、適切なビットレートに切り替えて、極力映像が途切れたりすることのないような通信方式を特徴としていたんです。これによって、ネットワーク上で何か問題が起きていたとしても、見た目はちょっと解像度が落ちているくらいで、違和感なく画が見られるというものなんです。
・・・ということで、業務用のビデオ会議システムの技術が採用されていること、
渡辺
あと、最初のマッチング以外では、サーバーが関与しないように実装できるので、世界中でたくさん使っていただいてもサーバー負荷が問題になりにくいP2P接続(※8)が実現できるというのも、ポイントでした。
※8 P2P接続=P2Pは、「Peer-to-Peer communication」の略。サーバーで実際の通信データを経由せず、ユーザーの端末同士が直接やりとりする通信方法。接続確立にやや時間を要する完全P2P型、第三者の端末が介在するスーパーノード型など存在するが、『Wii U Chat』では接続確立までをサーバーが、それ以降は端末間で直接、というハイブリッド型を採用している。
岩田
なるほど、そうでないと、サーバー維持に費用がかかってしまい、無料でご提供できなくなってしまいますからね。
・・・ということで、P2P接続で無料になっていることなどが明らかにされています。
「社長が訊く『Wii U』 Wii U Chat篇」
コメント
子供に持たせると危ないレベルになってきたな…