任天堂の岩田社長が、任天堂の株価がすごく下がっているという質問について、回答しています。
この中で、3DSが好調な国内市場と、3DSの勢いが弱い海外市場について、次のように、説明が行われています。
まず、ポイントとして、ニンテンドー3DSは国内では一定の勢いがありますけれども、アメリカやヨーロッパでは足下の勢いが弱いということがあります。
さらに具体的に申しあげますと、ニンテンドー3DSの国内での販売状況は順調で、むしろ期初の予想を上回るペースで販売できていると申しあげてもよいぐらいです。
年明け以降、週間販売数の平均は8万3000台ぐらいで、これは、日本で売れている全部のゲームハードの約55%がニンテンドー3DSだということですから、今や昨年末にニンテンドー3DSの勢いがついてからは、日本のゲーム市場というのはニンテンドー3DSを中心に回っているとも言えます。
すなわち、ここは私たちが当初目指していたシナリオ通りであり、順調なわけです。
その一方で、本来日本に比べて人口も多く市場も大きいアメリカやヨーロッパの市場では、日本よりもずっと売れていないといけないんですが、昨年末に販売の勢いは、一度日本と同じようになったものの、年明け以降に販売ペースが落ちてしまいまして、今では全ハードの販売の中でニンテンドー3DSの占める割合は約2割ぐらいということで、本格的な勢いは出せておりません。
このことを見ておられる投資家の方々は、「これは会社が言うように今期の業績が回復しないのではないか」、あるいは、「収益回復には会社が見通しを立てているよりももっと時間がかかるんじゃないかと」考えておられるかもしれません。
先ほどお話をしましたニンテンドー3DS LLもそうですし、『Newスーパーマリオブラザーズ2』などの有力タイトルもそうですが、これらが夏に世界で発売されていきますので、このような懸念を早期に払拭できるような勢いをつけることが当面の最優先の課題の一つでございます。
ちなみに、国内と海外で状況が違う理由としては、モンハンの存在もあると思われますが、携帯型ゲーム機が主流になっている日本のゲーム市場と、据置型ゲーム機が主流になっているアメリカの市場の違いというものがあるということが、次のように説明されています。
上が日本で下がアメリカです。
すべてのお客様、これはゲームを遊ばれる方も遊ばれない方もすべてに対して「この1年間ゲームを遊びましたか」「どんなゲーム機を持っていてどんなふうに遊んでいますか」というのを定期的に調べているんですが、その調査の中で、過去1年間ゲームを遊ばれた方に聞いた、「あなたにとって最も魅力的なゲーム機は何ですか」という割合のグラフなんです。
左側の水色がWii。その次のグレーがPlayStation 3、これはソニーさんですね。次の緑色がマイクロソフトさんのXbox360。そして、赤色がニンテンドー3DS。ピンク色がニンテンドーDS。そして青がソニーさんのPlayStation
Vita。薄いグレーがPlayStation Portable。そして、いわゆる携帯電話で遊ぶゲーム、スマートフォンで遊ぶゲーム、そしてパソコンのソーシャルネットワークで遊ぶゲーム。これは、今ゲーム機は単に任天堂とマイクロソフトさんとソニーさんだけの競争ではないと言われるようになりましたので、あえてこういうことを聞いております。
これを見ていただきますと、下のアメリカでは、3つの据置型と呼ばれてきた、いわゆるテレビゲーム機が圧倒的なんですね。
だから、アメリカではゲームといえばテレビゲーム機なわけです。
ところが、日本ではゲームといえばテレビゲームと答える方は半分程度で、その分、携帯性のあるゲーム機に魅力を感じていただいているわけです。
そしてここで、現時点でニンテンドー3DSが最も魅力的なゲーム機だと、この上の日本が今年の1月、下のアメリカが今年の3月のときのデータで、また将来データが更新されたら、チャンスがありましたら決算説明会等の場でみなさんにもお伝えできるようにしていきたいと思いますが、この赤色の部分の違いが今の勢いの差でもあると思います。
一方で、これは現状のゲームビジネスをよくご存知の方は、現状の販売状況と全然一致しない、つまりWiiはそんなに売れていないのに、Wiiの数字はどうしてこんなに高いのかと思われるかもしれませんが、これは、Wiiで遊んだ思い出がそれだけ強烈にお客様に刺さっていて、最も魅力的なゲームとして今でも挙げていただけるということなんです。
これは逆に言えば、今後Wii Uを発売する上で、われわれにとってとても大きな財産であり、プラスだと思っていますが、実はこういうデータは投資家の皆様はお持ちではないので、Wii Uに対する悲観的な見方に対して、それを覆すためにわれわれはこういうデータも発信していかないといけないのかなとも思っています。
ちなみに、DSのときもそうでしたが、アメリカでは日本と比較するとプラットフォームに勢いがつくまでに相当時間がかかりました。(DSにおいては)日本では1年弱で勢いがつきましたが、アメリカでは2年強かかりました。ですから、最終的にはアメリカでもDSはWiiよりも売れたんですけれども、(市場の)流れを変えて、(それを)見ていただくということが、私は何よりの株価対策だと思っています。
ということで、最も魅力的なゲーム機がWiiというのは、日本でもアメリカでも変わらないものの、アメリカでは、据え置きゲーム機以外を、最も魅力的なゲーム機とする回答はほとんどないようで、3DSが評価されにくい状況にもあるようです。
ただ、アメリカでは、上の図表を見ても、携帯ハードの中で、ソフトの多いDSと共に、山のようにソフトがあるスマホの評価はそれなりに高いので、やはり、日本でのモンハンに該当するような、海外の人が特に好む、3DSのキラーソフトが不足しているのが、海外での3DSの勢いが弱いという原因になっているような感じもするかもしれず、3DS独占のそういったサードパーティーのソフトの獲得が今後の課題かもしれません。
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んーなるほどな
まぁなるほどってかんじやわな