ドラクエ9、DSになったのは日野社長の進言の結果。DQ10の方が本当は先、言えない幻の作品もあった

　ドラゴンクエストについて、昨日放送された30周年記念のニコニコ生放送で、これまでの作品の誕生の裏話などがコメントされています。

ドラゴンクエスト９、DSで誕生することになった秘話

　2009年に発売された「ドラゴンクエスト９」は、それまでのドラクエが全て据え置きハードだったため、DSという携帯ゲーム機で初めて発売される本編ということで、かなり意外なハード決定になっていましたが、これにはレベルファイブの日野晃博社長が大きく関わっていたようです。

　レベルファイブは、PS2で発売された「ドラゴンクエスト８」の開発を担当しており、当時は堀井雄二氏などと打ち合わせすることも多く、ドラクエの新作を話し合う過程で、日野社長が堀井雄二氏に「DSもいいですよ」と少しずつ進言していった結果、ドラクエ新作がDSで出ることになったそうです。

　ちなみに、DSを推したのは日野社長がDS用ソフトとして「レイトン教授」を作っていたからということもあるそうで、自社の利益を考えた感じもあったのかもしれません。

ドラゴンクエスト１０、本当はDQ9だった

　ドラゴンクエスト１０は本当はDQ9だったことが明らかにされています。

　2012年に発売された「ドラゴンクエスト１０」は、2016年で発売から4周年となりますが、開発はDQ8の後の今から11年ぐらい前から行われているそうです。

　これは、DSで発売された「ドラゴンクエスト９」よりも前から開発が行われているということであり、ドラゴンクエスト１０は本当はDQ9としての発売を計画していたとのことです。

　しかし、「ドラゴンクエスト１０」の開発の途中で、DQMJの最後の調整でディレクターが開発から抜けたりして開発が一時停滞し、ディレクターが「ドラゴンクエスト１０」の開発に戻って来たら、知らない間にDSでドラクエの新作を出す計画が決まっていたとのことです。

　これにより、まずは開発がすぐに終わりそうなDSのドラクエを先に出すことになり、本当はDQ9だった「ドラゴンクエスト１０」は、その後にDQ10として登場することになります。

　ちなみに、それほど開発に時間はかからないと予想されていたDQ9も、なかなか開発が終わらなかったそうです。

DQ9、DQ10時代の幻のドラクエ新作

　そして、このドラクエ１０がドラクエ９だった時代や、後からやって来たドラクエ新作がDSに決まるまでの時代は、今でも言えない幻の作品がもう1作品ほどあったそうです。

　こういう作品はわりと他のゲームでも多いかと思われますが、どうやらこの時代にドラクエ本編の新作をどのハードで出すかはかなり悩んでいたようで、今回のコメントから、ドラクエの新作としてPS3版や他のハード版の計画もあったと推測されます。

　なお、ずっと据え置きハードだったドラクエが携帯ハードで出るなんて失望したという感想もDSのドラクエ９時代にはかなり多かったのですが、堀井雄二氏は、最初はDSで出すことに抵抗があったものの、最終的にはもっと驚かれ、喜ばれるかと思っていたのに特にネットで批判が多くて凹んだということもコメントしています。

　ということで、ドラゴンクエストの30周年記念の放送は、特に大きな新情報はありませんでしたが、裏話的なことが多くてかなり見ごたえのある放送となっていました。

　DSのDQ9、WiiのDQ10は、本編のナンバリングタイトルにするかどうか悩んだということも明らかにされていて、このときにどう決定していたかで、後にドラクエ開発で学んだ手法も使って作られる「妖怪ウォッチ」などのRPGで大成功するレベルファイブも含めて、ゲーム業界の歴史が大きく変わっていたと思われます。