任天堂について、ファミ通2020年4月30日号で宮本茂氏が少しコメントしています。
今回は、通った後はぺんぺん草も生えないのでズルいと褒められた過去を明らかにしています。
任天堂とHAL研究所の40年
任天堂は、これまで数多くのソフトを発売しています。
ただ、全てを自社で作っているわけではなく、セカンドパーティーと呼ばれる任天堂と密接な関係を持つ他社で開発したソフトも多くなっています。
今回、その中の1つ、「星のカービィ」シリーズなどを開発している「HAL研究所」について、任天堂の宮本茂氏がコメントしています。
HAL研究所は、2020年2月21日に設立から40年を迎えています。
この40年の間には、後に任天堂の社長となる岩田聡氏がHAL研究所の開発を指揮する立場だった時代もあります。
このHAL研究所時代の岩田聡氏について、任天堂の宮本茂氏がHAL研究所の40周年記念のお祝いコメントの中で少し振り返っています。
通った後はぺんぺん草も生えない
任天堂の宮本茂氏が、HAL研究所の40年の思い出の1つとして、岩田聡氏から、任天堂が通った後はぺんぺん草も生えないのでズルいと言われたことを挙げています。
これは、任天堂は、自らゲームハードを作り、そのゲームハード用のソフトも自ら作っているので、ハードスペックを先取りし、誰よりも早くそのハードの「おいしい」部分を使った商品を次々と発売することを指摘した内容です。
任天堂がよく使う端的な別の言葉だと、「ハードとソフトの一体型ビジネス」といったようなものです。
例えば、かつて大ヒットした「Wiiスポーツ」は、Wiiリモコンという、そのハードの一番おいしい部分を最初に使ったソフトであり、野球もテニスもボウリングもゴルフもボクシングも収録されており、サードパーティーがその後、Wiiリモコンを使ったそれらのスポーツゲームを発売するのをためらわせるような感じもあります。
HAL研究所時代の岩田聡氏は、任天堂がぺんぺん草も生えない状態にして来るということを、スーパーファミコン時代にコメントしていたそうです。
スーパーファミコンは、ギミックハードというものではありませんが、その当時珍しかった画面の回転や拡大などをハードウェアレベルでサポートする仕様を搭載していました。
そして、これらの仕様は、任天堂のスーパーファミコンの初期ソフト群でいち早く活用されており、人々はまずそこで驚きを体験するので、後に発売されるサードソフトでは、その部分の驚きが少し削がれる形にもなります。
こういった展開が、他社から見れば、任天堂が通った後はぺんぺん草も生えないのでズルい状態であり、特にギミック系の任天堂ハードがサードから避けられる理由の1つになっているとも言われます。
また、当時のHAL研究所は、任天堂のセカンドパーティというよりも、まだまだ独立したデベロッパー色が強かったこともあり、そのズルさが余計に目についたのかもしれません。
ただ、これをズルいと思うのならば、他の企業も自分でハードを作って、自分でソフトを発売すればいいだけです。
しかし、これまで何社かが挑戦したものの、現在までハードメーカーとして生き残っているのは数えるほどしか存在しないことを考えれば、通った後はぺんぺん草も生えない状態にするというのは、誰でも出来るものではなく、これは任天堂に対する「誉め言葉でもあった」と宮本茂氏はコメントしています。
なお、宮本茂氏は、HAL研究所の思い出として、他には、宮本茂氏が生みの親の1人にもなっている「星のカービィ」の開発や、岩田聡氏が綱渡りのような開発を見事に成功させた「大乱闘スマッシュブラザーズ」の誕生なども挙げています。
コメント
DSにしろWiiにしろ、特異なギミックを持ったハードは作り手である任天堂がこれはこうやって使うんやでと示さないとサードにとっちゃ訳がわからないから寄り付かない。WiiUの二画面は任天堂自身も効果的な使い方がわからず、マリオメーカーやスプラトゥーンが出たのは完全にハードの趨勢が決した後だった。記事にあるようにサードにとっては任天堂が全部先にやってしまいズルい部分もあるけど、それ以上に助かってるのではと感じます。
草だから画像がフシギソウとパックンフラワーなのか。
wii,ds~3ds,wiiuまでは殆どのサードがハードのギミック持て余してた感じだったけど、スイッチに関しては明らかなスペック不足でも無ければ無理してでも移植しようとするサードが増えてきたと思う。
それはやっぱり売れ筋ハードである以上に据え置き、携帯を合わせたハイブリッドである事が最大の理由なんだろうな。
無理にタッチしたりリモコン使ったりせずとも、TVモード用に作ったヤツを携帯モード用に調整するって作業だけで、他のハードと差別化出来るんだもの
かれがうたったあとには、
ぺんぺんぐさも はえなくなったとさ。
その岩田さんを社長に迎える懐の深さ。