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任天堂のオンラインサービスのコスト回収は、サービスを通じてソフトウェアがより売れるようにする方法により図る

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 任天堂の岩田社長が、任天堂の収益を圧迫しているのではないかとも言われている、オンラインサービスのコスト回収についてコメントしています。

 岩田社長は、任天堂の顧客は、ゲーマーからライトユーザーまで様々なので、「必ずしも有料会員型のサービスが望ましいとは思っておりません」とコメントし、「もちろん、『どんなに濃密なサービスをしても必ず無料で提供します』などとお約束できるはずはないのですが、少なくともお客様が普通にネットワークのサービスと向き合っていただく上で有料にしようという考えはございません」ということを明らかにしています。

 そして、「このように収益も厳しい中で、『そんな悠長なことを言っていていいのか』というご指摘」については、次のようにコメントしています。

 
 私どもは、このネットワークサービスが最終的に、たとえネットワークサービスそのものが無料で提供されたとしても、トータルでは任天堂の収益に寄与するという形を目指すのが筋だと思っております。
 具体的に言いますと、ネットワークサービスを通じて他の人といろいろなやりとりができたり、ほかの人はこんなことを面白がっているというのが可視化されたり、世の中で自分は知らなかったけれども、こんなものがあるのかと分かったり、いろいろなことがあると思うんです。
 そういうことで、みなさんも例えば音楽や映画で、自分はこの音楽や映画を知らなかったけれども、友達に紹介されてそれを初めて見て聴いて、今までこのアーティスト、この映画監督の音楽や映画に触れてこなかったことを後悔したというご経験をお持ちではないでしょうか。それは、知らなかったから、なかったのと一緒だったんですね。
 ゲームにも実は同じようなことがございまして、われわれは特に今回、Wii Uで展開する『Miiverse(ミーバース)』と呼んでいるネットワークサービス、社内では、「お客様のゲームに関する共感をいかに増幅してお伝えするか」ということをテーマにしているんですが、例えばあるソフトを楽しまれている方が、「こういうソフトも楽しいよ」というのを見たときに、今までまったく購買の対象として考慮に入っていなかったソフトウェアを「あ、これも面白いのかも」と、目を向けていただけるチャンスが生まれると思っています。
 すなわち言い換えると、こういうネットワークサービスを展開していくことで、直接収益は得られないとしても、ゲーム機の稼働率が高い状態が維持され、新しいソフトが出たときにより売れやすくなる。あるいは、年に2本ソフトを遊ばれていた方が、3、4本遊んでみようと思う。
 すなわち、ハード1台当たりのソフトの売れ方が変わってくるという形で、収益に立派に貢献できるはずだと考えていまして、それを実現するためのサービスとして何が必要かという観点から、経済的な面では運営をしていこうと思っております。
 したがって、先ほどのご質問に関しましては、直接的に会費をいただくというようなことは考えておりませんが、そのサービスを通じてソフトウェアがより売れるようにしていきますので、結果的にそこに投資をしても十分に見合う成果が上がると私たちは信じて準備を進めております。

 
 よって、任天堂のオンラインサービスのコスト回収は、サービスを通じてソフトウェアがより売れるようにする方法により図るようです。

 ただ、例えば、お勧めソフトの機能のようなもので、そのソフトが買いたくなるというのは、元々ゲーマー層は、ネットの評判などで既に行動済みでしょうし、そもそも、そういう行動につながるのは、その人の性格によるところも大きいと思われるので、この方法では、増大するオンラインサービスのコスト回収はなかなか実りあるものにはならないかもしれません。

 なお、少なくとも、各ソフトのオンラインサービスの利用には、PS3などで行われているような、パッケージ内にある利用コードを登録する方式にした方が、利益にならない中古でソフトを買われた場合でも、オンラインサービスの利用コードで最低限のオンラインコスト回収が図れるようになり、また、不正対策にもなると思われるので、まだこのような方法が採用されるのかどうかは不明ですが、もしWii Uなどでアカウント制が導入されてもこういうものが採用されないのなら、任天堂の方法は少しヌルイと言えるかもしれません。

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