ニンテンドースイッチ、暗号化に関連したツールを任天堂が排除に動きエミュに影響

　ニンテンドースイッチについて、1つ話題が出ています。

　話題は、暗号化に関連したツールを任天堂が排除に動きエミュに影響が出ているというものです。

スイッチ、暗号化に関連したツール

　任天堂は、ゲームソフトのフラゲ配信などに対して、権利侵害だとして削除を求める対応を行っています。

　このフラゲ配信は、普通に店でパッケージ版を早く入手したぐらいならまだ許せるものなのだと思われます。

　しかし、少し前に「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム、フラゲ始まる。ROMも時間の問題」の記事でご紹介したように、最近は製造や流通関係者とみられる人が発売の2～3週間ぐらい前にソフトを入手し、それをフリマサイトなどで売り、それを買った人がソフトからデータを抜き出してネットにアップするというような行為が海外で常態化しています。

　これについては、「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム、エミュ勢に悪夢を見させると牽制する米任天堂の元社長」の記事でご紹介したように、米任天堂の前社長もお怒りです。

　そして、任天堂が実際にエミュ勢などに悪夢を見させる行動をとっています。

　それは、任天堂がニンテンドースイッチの暗号化に関連したツールを排除する行動に出ているというものです。

　これが具体的にどのようなツールなのかはあえて書きませんが、任天堂はこれまで放置して来たこれらのツールに対して任天堂の権利を侵害しているとして削除要求を掲載元などに対して行っています。

　ただ、このツールが任天堂の権利を侵害するかどうかは微妙です。

　そして、微妙だからこそ、これまで放置されて来た部分があります。

　しかし、前掲の「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」関連の騒動で、ついにキレたというような感じで、任天堂がニンテンドースイッチの暗号化に関連したツールに対して排除する動きをみせています。　

エミュに影響

　任天堂が削除を求めているニンテンドースイッチの暗号化に関連したツールは、削除されたとしてもニンテンドースイッチのエミュやカスタムファームウェア自体がなくなるわけではありません。

　むしろ「正規」の暗号化に関連した部分を扱えなくなるので、よりブラック化するのではないかというような見方もあります。

　また、エミュ勢などによる任天堂の被害が増えているのならば、エミュやカスタムファームウェアのソフト自体を権利侵害だとすればいいのではないかと考える人もいると思われます。

　ただ、昔からニンテンドースイッチに限らず、ゲーム機などのエミュ自体は違法ではないとされているので、任天堂もその部分にまでは排除に動けないようです。

　しかし、今回のニンテンドースイッチの暗号化に関連したツールを排除する動きは、Android向けのニンテンドースイッチの某エミュレーターの開発を中止させることに繋がっています。

　このエミュは、任天堂が排除を求めている暗号化に関連したツールを前提にした作りになっているため、これ以上は開発できないとして自主的に開発の中止が決められたものになっています。

　よって、ニンテンドースイッチの暗号化に関連したツールを排除する任天堂の動きは、結果的に任天堂が本来行いたいであろうエミュの排除というものに繋がっている部分があるということになっています。

　ただ、今回影響したのは特定の開発中のエミュだけなので、その他のものはまだ普通に開発や使用が行われている状態です。

　ちなみに、エミュやカスタムファームウェアによる任天堂の被害をなくす一番の方法は、ニンテンドースイッチの次世代機を発売するというものになります。

　ニンテンドースイッチは、これは主要部品の1つであるNVIDIA製品に欠陥があったためでもあるのですが、早くから全解析されるような状態になっていたので、精巧なエミュやカスタムファームウェアが登場する結果になっています。

　このため、次世代機を早く発売して「割られない」ハードの状態にするのが、新作ソフトの被害を防ぐ一番の方法になります。

　実際、ソニーのPS4やPS5は、ないとは言えないかもしれませんが、全解析されるような状態になっていないため、まともなエミュなどは存在しておらず、発売日前に勝手に新作ソフトが遊ばれるというようなソフトの被害は比較的少ないとも言えます。